「できないことはやらない」で上手くいく
いつものように、「はじめに」をご紹介します。
本書のタイトル『「できないことはやらない」でうまくいく』というのは、「最初からあきらめる」「未知のことに挑戦しない」という意味ではありません。
(ときどき、やらずして「私にはムリ」という人に遭遇しますが、やったことがないのにできるかできないかがわかるなんて、「おまえはエスパーか!」と突っ込みたくなります・苦笑)
本当のメッセージは、「がんばっても報われない、他人がうらやましい、自分なんてダメだ・・・とヘコむとしたら、それは自分を活かせない土俵であがいている可能性がある。そんな場所はあえて捨てて、自分が才能を発揮できる世界に飛び込もう」ということです。
人間は社会的な動物とされ、古来より集団をつくって生きてきました。
そして私たちは幼少期から他人と比較され、優劣をつけられ、競争を強いられてきました。
だからというのは私の仮説に過ぎませんが、人は「嫉妬」という感情を持っています。
なぜなら、嫉妬心は人類にとって必要だからです。
その嫉妬をたとえばやる気、負けん気といったプラスのエネルギーに変えることで私たちは成長し、社会も発展してきたわけです。
あるいは異性に対する嫉妬など、自分への愛情が失われるリスクを察知し、自分の大切な人を奪われないためにも発動されます。
飼い犬は他のペットがやってくると嫉妬しますし、サルなども他のオスザルを排除しようとします。
とはいえ、ほとんどの動物に嫉妬という感情がないのは、自分の種が生き残ることだけが目的だからです。
幸せになることではなく生きるだけなら、他の個体と比較してどうこう感じる必要はないですからね。
しかし喜怒哀楽とは異なり、とくに嫉妬は他人に打ち明けられない感情、共感されにくい感情、認めたくない感情ではないでしょうか。
なぜなら、この感情は自分が他人よりも劣っていることを認めることでもあるからです。
そのため、ときに劣等感、コンプレックス、挫折感などマイナスの感情として自分を苦しめることがあります。
あるいは自分が劣っていることを認めたくなくて、陰口を叩いたり相手を引きずりおろそうと非生産的な行為に走ったりする人も少なくありません。
恋愛や結婚でも、嫉妬に支配されて重苦しい束縛行為となり、かえって関係を破綻させてしまうとしたら、本来は防御反応のはずが逆効果です。
そうやって自分をさげすんだり、過剰に人の目を気にしたり、相手にマウントしたり、人を束縛したり、他人を呪ったりする人生が、本当に望ましい生き方かと言われると、ほとんどの人がそうではないと思います。
そもそも私たちは、他人のために生きているわけではありません。
それは家族や大切な仲間、社会に貢献することを否定するのではなく、まずは自分の幸せを優先しようということです。
自分が幸せであれば、他人にも優しくなれるものですから。
そして、まったく同じ人が誰一人としていないように、みなが自分らしく生きようとすれば、その生き方は世界に70億通りあっていいはず。
ひとり一人が違うなら、持っている才能も違うし、それが発揮できる場所や環境も違うはずです。
たとば学校や会社で発揮できる才能もあれば、海や山で発揮できる才能もあるでしょう。
なのに世の中は、学歴・収入・貯蓄・地位などといったステレオタイプな幸福の軸を私たちに押し付けますから、本来なら抱く必要がない余計な嫉妬心を抱き、イライラさせられてしまう。
そこで本書では、視点をちょっとだけズラすことで、この感情をうまく制御し活用する方法をご紹介します。
(この「ちょっとだけ」をわかりやすくするために「1ミリ」と表現しています)
「ズラす」には二つの意味があり、ひとつは嫉妬心をプラスのエネルギーに変換することです。
嫉妬を感じるということは、自分が大切にしたいこと、負けたくないことに気が付くきっかけです。
なぜなら、どうでもいいこと・どうでもいい人に対して嫉妬などしないからです。
また、自分の努力レベルを確認できる機会でもあります。
たとえばライバルが1日100回素振りをしているのを知れば、自分は200回やろう、みたいな。
それに、勝つことは自尊心につながるため経験として大切ですし、負けることで学べることも多いでしょう。
勝つため・負けないためには、相手の研究、自分の分析、外部環境の把握、そして戦略を考え鍛錬する必要がありますが、嫉妬しなければそういう機会すら失ってしまいます。
「なんでアイツが」という感情を、「足を引っ張ってやる」というネガティブな発想ではなく、「自分だってやってやる」という方向に持っていければ、一生つきあっていく感情であるがゆえに、人生に大きな差が出るであろうというのはおわかりいただけると思います。
なので「嫉妬で苦しい」ではなく、嫉妬を前向きなモチベーションに変えるため、その受け止め方・捉え方をズラすのです。
もうひとつは、自分が本当に幸福感を感じる土俵を見つけ、そこに移動することです。
前述のとおり、「苦しい」「モヤモヤする」ということは、自分らしく生きられる土俵に立っていない、自分の才能を活かせられる環境や領域を選んでいない可能性があるからです。
それに、世の中には優勝劣敗だけではなく、ダーツゲームやボーリングなど、勝負そのものを楽しむ世界もあるでしょう。
そこで、他人が決めた幸福の軸を、自分の幸福の軸にズラすのです。
こんな話を聞いたことがあります。
桜がこう言った。「竹のほうが成長が速い。だからうらやましい。」
竹はこう言った。「桜の方がきれいな花を咲かせられる。だからうらやましい。」
しかし、成長が早いことだけが価値があるとは誰が言ったのか。
花がきれいであることだけが価値があるとは誰が言ったのか。
確かに桜は花見で人々の心を豊かにします。
竹も確かに成長が早く、竹細工として様々な用途に使われます。
しかし竹は竹で、タケノコとして食されたり竹の蒸し焼きに使われるなど、やはり人々の心を豊かにするでしょう。
そういえば桜もチップとして燻製に使われますよね。
つまりどちらもそれぞれ価値が唯一無二の存在なのに、桜と竹のどちらが勝っているか、劣っているかを比べても意味がないことがわかります。
竹は竹の強みや長所を発揮し、桜は桜でやはり自身の強みや長所を伸ばそうとすればいい。
そしてこれは人間も同じです。
また、最終章では他人からの嫉妬を防ぐ方法を紹介しました。
というのも、嫉妬という感情を理解していなければ、どういう発言やシチュエーションで人が嫉妬の感情を抱くのかわかりません。
だから余計な一言で周囲の嫉妬を買ってしまい、ときには引きずりおろされることがあるからです。
芸能界でも異性関係が暴露されるのは、同業者や関係者の嫉妬がからんでいるケースが多いと言います。
ライブドア事件や村上ファンド事件のように、目立って年長者から嫉妬されれば社会的に抹殺されます。
会社員でも、根も葉もないウワサを流されて、左遷させられたり職を追われたという話は珍しくありません。
そこでどういう場面で人は嫉妬をするか、どんな人が嫉妬しやすいか、どんな人が嫉妬されやすいかを知れば、そういった輩から自分を守ることもできるでしょう。
いずれにせよ、この嫉妬という感情を理解すれば、それを制御する方法も、前向きに変える方法もわかります。
自分という花はどこで開かせるべきか気づくことができますし、他人からの負の影響を排除することもできます。
そんなふうに、自分らしく生きられるきっかけになれば、著者としてうれしく思います。
・・・という本です。
ご興味ありましたらぜひ手に取っていただければと思います。
『「できないことはやらない」で上手くいく
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