2015年11月19日

「アメリカンエキスプレス インサイトビジネスフォーラム」に参加してきました!

11月13日に、アメリカンエキスプレスからご招待いただき、「アメリカンエキスプレス インサイトビジネスフォーラム」に参加してきました。
これはアメリカン・エキスプレス・インターナショナルとダイヤモンド社の主催による経営者(もしくは経営幹部層)向けの勉強会といった位置づけで、一橋大学イノベーション研究センター教授の米倉誠一郎氏が監修しています。

場所は新宿のパークハイアット。
第一部から第四部まで、14:00から18:30という長丁場でしたが、早速レポートします!


第一部 塾長オープニングトーク

最初は監修者である塾長の米倉誠一郎氏によるセッション。
このフォーラムはすでに2回開催されており、1回目は「インバウンド」、2回目は「ロボット」がテーマだったそうです。
これはこれで興味深い内容ですが、私が参加したのは3回目となる今回の「アセアン」。そう、私の得意な分野でもあります。
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アセアンは6億人の人口を擁し、GDPも200兆円と巨大な市場です。一般には一人当たりGDPは5千ドルを超えると消費が急拡大するそうですが、シンガポールとマレーシア以外はこれからです。
アセアンはMOP(ミドルオブピラミッド=中間層)であり、BOP(ボトムオブピラミッド)ではなく、PCを通り越して、タブフォンからECサイトに飛ぶような買い物習慣となっていくようです。

私がなるほどと思ったのは、「もうアセアンは遅いんでしょ、と参入を諦めるのではなく、今から行け」という点。なぜなら、環境技術も持っている日本は21世紀型の成長モデルを輸出できるから。20世紀型の成長は、環境汚染をばらまきながらでしたからね。

それに、アセアン各国へのアンケートで、「最も信頼できる国はどこか」では日本がトップの33%だそうです。これはすごい。誇らしいことです。
だからこそ米倉氏が言うように、「市場を狙い撃つという姿勢よりも、相互に持続的な発展を目指すパートナーとして取り組むことが重要」ということなのでしょう。


第二部 ラーニングラボ ものづくりからチャネルづくりへ

第二部は「ラーニングラボ」といって、自分が興味関心のある講演に分かれて受講するという形式。いわゆる分科会のような感じです。
今回はアセアンがテーマで、アセアンビジネスへ参入するコンサルティングのスパイダーイニシアティブ株式会社の森辺一樹氏と、シンクタンクの日本経済研究センターでアセアン市場を専門としている主任研究員の牛山隆一氏が登壇。

私は市場についてはある程度の知識があるので、「どうやって売るか」ということにフォーカスした森辺氏のラボに参加しました。
やはりリアルに売上を上げていくには、具体的な販売戦略が必要だから。その中でも特に新興国ではチャネル構築が非常に重要です。

講演が始まるやいなや、森辺氏からいきなり衝撃的な発言が。
「モノづくりで勝ってチャネルづくりで負けるのが日本企業」
「サービスで勝って集客で負けるのが日本企業」

ううむ、深い。
私も以前、フィリピンのセブに3か月間滞在したことがありますが、どんな田舎に行っても、小さな島嶼部に行っても、どんなボロい商店でも、チルド飲料はネスレ、シャンプーはユニリーバが置いてあったのを覚えています。

アセアンは、近代的なショッピングモールよりも、そうした小さな伝統的商店(駄菓子屋やヨロズ雑貨店のようなイメージ)の数が圧倒的に多い。だからそこを攻めないと商品が行き渡らないし、ブランドイメージも形成されないということです。
しかし巨大グローバル企業は1980年代からアセアンに進出し、それら小さな商店に商品を配給するディストリビューターに営業をかけてきたそうです。

そうした伝統的小売り店は当面なくならない可能性が高いので、導入期はイオンなど近代的小売りではなく、伝統的小売りを押さえることが重要となり、エリア別にディストリビューターを選定することが重要だということです。なるほど。

私も大いに賛成するのが、これからは「ものを作る力から、売る力が必要」という指摘。
テレビはいくら機能を高めても、映る番組は同じ。何を見せるかというソフトが重要です。これはゲーム機と似た戦略で、面白いコンテンツがあれば、モノは売れるということ。でもモノは誰でも作れるから急速にコモディティ化する。

だからそのソフト部分に「これがクールでしょ」「僕らはこれが大事だと考えてるんだ」というメッセージを込めないといけないな、と感じました。
もちろん、これは日本でのビジネスでも同じ。

そしてもうひとつ、私もアセアンビジネスにかかわっている一人として感じたこと。TPPなど世界の市場がひとつになっていく今後、自社が海外に出て行かなくても、向こうから攻めてくるから、結局は彼らとの競争になり、日本に攻める気概のある企業ならなおさら競争は厳しくなるということ。
どうせ競争になるなら、早くから攻めて市場の理解や売り方の練磨をしておいたほうがいいんじゃないかと思います。
「試合が始まってから練習不足を嘆いても遅い」ですからね。

その後、参加者からの質疑応答が活発に飛び交い、75分間の第二部が終了。


第三部 パネルディスカッション

第三部は塾長の米倉氏、ダイソーの創業者であり株式会社大創産業代表取締役の矢野博丈氏、メガネのJINSを展開する株式会社ジェイアイエヌ代表取締役の田中仁氏の3名によるパネルディスカッション。
ダイソーは東南アジア各国に出て大成功していますし、JINSも中国で成功しています。

ダイソーの矢野氏は悟っているというか自然体というか、ダイソーのアイデアを「雑貨店をやっていて、忙してくラベル打ちが大変なので、価格をそろえただけ」とか、非常にユニークでした。
また、「必死さ」「一緒に汗をかく」「謙虚に」という彼の言葉は一見ありきたりですが、ゆえに組織をつくる人間として必要最低限の資質だということなのでしょう。

私もビジネス書の著者として、成功の要諦をあれこれえらそうに書いていますが、それはあくまで結果論であって、その裏に積み上げられた、矢野氏がいうところの「運」を引き寄せる活動をどれだけしてきたかが重要なのだと思います。
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一方、JINSの田中社長は切れ者というか、非常に冷静な思考力と、大胆な行動力を併せ持つクレバーさを感じました。
独立当初はファッション雑貨の企画生産でアパレルに卸す仕事をしていたのが、韓国に行ってメガネの流通のひずみによる価格差に気づいてJINSを始めたということ。
彼曰く「ただ成長マーケットだからと海外に行っても、現地企業との競争にさらされる。日本で勝てなければ、新興国に行っても勝てない」。なるほど・・・。

ところで田中氏がなぜクレバーで切れ者に感じるかというと、その「声質」にあります
私はビジヴォというボイストレーニングスクールの経営をしているので意識して声を聴くのですが、彼は「低音、腹式でよく響き、よく通る」声を持っています。
だからこそ、同じことを話しても、非常に頭がよく説得力を持って聞こえるのです。
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いずれにせよ、笑いありで非常に楽しく、それまでの疲れが一気に吹き飛んでしまうパネルディスカッションでした。


第四部 ネットワーキングセッション

ネットワーキングセッションとは何かなと思っていたら、懇親会でした!
パークハイアットのビュッフェでお酒や料理を楽しみながら、名刺交換など講師陣だけではなく参加者同士が交流する、という時間だったのです。
これは豪勢ですね。
私もビールとワインをしこたま飲んでしまいました・・・苦笑

そして帰り際に、AMEXの調査レポート「中堅企業調査レポート2015」をいただきました。これは、アメリカン・エキスプレス・インターナショナルが行った調査で、日本の中堅企業を対象に、環境変化の下で、中堅企業の経営はどんな課題にチャレンジしているか、将来に向けてどんな取り組みをしているか、などを明らかにした報告書です。
こちらから無料でダウンロードもできます。
https://business.americanexpress.com/jp/news%20and%20trends/WhitePaper_2015_1112

というわけで、長いと思っていたら、実際はあっという間のフォーラムでした。
AMEXにとって初めての試みだったそうですが、いやいや非常に充実した内容で、今後も自分の興味関心のあるテーマがあれば、また参加してみたいです。
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posted by 午堂登紀雄 at 11:46| Comment(0) | TrackBack(0) | セミナー・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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