そして今月はアップルのタブレット端末が、おそらく度肝を抜く機能、プラットフォームで仕掛けてくるだろう。
そこで今回は著者としてコンテンツ制作の方向性を考えてみたいと思う。
紙の書籍がなくなることはないと思うが、デジタルブックの市場規模はかなり大きくなり、ペーパーメディアの市場はますます縮小を余儀なくされるだろう。
そんな中、著者として生き残っていくには、やはり次世代端末の機能に対応したコンテンツを企画しておかなければならない。
本文中に出てきたキーワードから、別の本を検索し、購入できるとか、参考文献に飛べるとかいう生易しいものではない。
もちろん、現在の電子書籍のように、ただ文面をスキャンして、本がデジタルに置き換わっただけ、という時代は終焉する。
アップルのタブレット端末は、おそらくデジタルブックリーダーとPCとの機能は融合するものになると思われる。
たとえば、文面に書き込みし、それを文書共有サイトscribdにアップし共有する。もしかするとエバーノートが機能対応するかもしれない。
自分のお気に入りフレーズをブックマークすれば、これもソーシャルブックマークでオープンに共有される。
これは、本のポイントをあらかじめ知ることができるため、購入を迷っている人の背中を後押ししてくれる可能性がある。
しかし、匿名のままだと、勝間和代さんの本のレビューのように、特定の嫉妬心に支配された暇人のカキコが増えてしまうかもしれないが・・・。
しかしその感想も読者同士でディスカッションでき、著者の書いた文章にリンクされ、議論が重層的に施されるかもしれない。
みんなでつくるマインドマップとか?
これは書評ブログに置き換えられる可能性があり、書評ブロガーもただのブログから、このネットワークにシフトするだろう。
「まえがき」と「あとがき」が著者による紹介ビデオになるとか、本文のポイントを、ビデオや画像やチャートを表示して補えるなどができる。
まさに電子教科書。
さらに本文中に問いを入れ、紙上ワークショップ機能を持たせることができる。
ゲーム感覚でできるので、ニンテンドーDSのようなエンタテインメント性が加わる。
それすらSNS機能に同期し読者同士が共有できれば、セミナーのようになる。
読書を通じたソーシャルネットワーキングがますます加速する可能性を秘めている。
たとえば昨今流行の読書会も、オンラインでできるようになる。
これは著者にとっても、本の販促につながるとともに、新しい販促方法への対応を迫られるだろう。
つまり、紙上ディスカッションへの参加など、今以上に読者との接点を大事にしなければならなくなるということ。
出版社の広告戦略もこちらにシフトせざるをえなくなる。
本の最後にある「好評既刊」という紹介だと、あまり買おうと思わないし・・・。
しかし、こうなるともう、著作権の問題を避けて通れないし、現行の著作権法では対応の範囲を超えている。
でも法改正は話もあまり聞かないな・・・。
アマゾンが電子書籍の印税率を70%に引き上げ、著者と直接コンテンツ契約をする動きがあり、これは出版社にとっては戦々恐々だろう。。
ていうか、コンテンツ売り上げは拡大しそうだが、書店や取次(トーハンや日販)の売上が激減する?
電子書籍専門の出版エージェントも出てきて、著者と組んで電子書籍を売り込むようになるかもしれない
雑誌の売り上げ下落に歯止めがかからず、編集者の仕事もなくなっているが、ここに雑誌編集者の次のビジネスが見えるのではないか。
・・・あ、僕もやろうかな(笑)。
エリエスの土井さんや、アップルシードの鬼塚さんも、いずれ参入するんだろうか。
これは著者になれるチャンスが大きく拡大することになるだろう。
出版したい人にとっては望ましい傾向であるが、反面、自費出版の出版社に壊滅的打撃を与えるかもしれない。
しかし僕自身は、出版社(編集者)には介在してほしいと思っている。
なぜなら、編集者がいなければ、文章を練り上げる作業を軽視し、粗製乱造につながる懸念をもっているからだ。
いったん作ったら容易に修正できない、そういう緊張感が、表現を丁寧に紡ぎ出すインセンティブにもなっているが、デジタルだとその緊張感が持ちにくい。
編集者からいろいろ突っ込まれるからこそ、ロジックや事実関係をチェックしようとする。
だから、執筆を通じて思考が磨かれる。そう考えているからだ。
それに、やはり本は「ものづくり」の側面があるから、見本ができたときは感慨がある。
そういう意味でも、紙の本は捨てがたい・・・。
紙の本は一時流通で、二次流通として電子書籍にする今の流れは支持したいが、いずれ新刊が電子で先行発売になるだろうなあ・・・。。
いずれにしても、次世代プラットフォームを最大限に活用できる電子書籍の企画を考えておこうと思う。
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