2009年08月20日

「仕組み」集大成の本が登場

「仕組み」という言葉を世に出したのは、「仕組み革新の時代」(嶋口 充輝 有斐閣)という本だろうか。次が「儲かる仕組みを作りなさい」(小山昇 河出書房新社)か。前者はマーケティングの本、後者は企業経営本で、読者層は狭めだった。

それを個人読者に広めたのは、友人でもある高橋学さんと荒濱一さんの「結局仕組みを作った人が勝っている」(光文社ペーパーバックス)である。

その後、次々に「仕組み」と題する本が出版された。有名どころでは「仕組み仕事術」(泉正人 ディスカヴァー21)、これまた友人の田中正博さんの「36倍売れた!仕組み思考術」(ソフトバンクパブリッシング)、極めつけが小飼弾さんの「仕組み進化論」(日本実業出版社)で、十分過ぎるほどの市民権を得た。

そして、またまた友人でもある中山マコトさんが、自分ブランディングを構築して一人でも稼げる仕組みを作るうまくいく人が必ず持っている黄金の仕組みを出した。



うまくいく人が必ず持っている黄金の仕組み

「またか」ではなく、「すごい」。何がすごいかというと、「カネ」に変換する発想と方法論に特化していて、極めて具体的だからだ。

整理整頓したところで、情報をたくさん集めたところで、カネにはならない。でもそんな本が売れたりする。

僕はそんな本には興味がなく、やはり本書のようなものが好きだ。なぜ僕たちがビジネス書を読むかというと、もっと稼げる自分に変化させたいからであり、それに直球で答えてくれている。

どんな素晴らしい主張をしても、発想を商品化してお金に換え、それが継続するモデルを作らなければ、ただの評論家で終わってしまう。

たとえば勝間和代さんのアマゾンのレビューを見ると、批判的意見が数多く書き込まれている。では、その書き込んだ本人は、勝間さんより稼いでいるのだろうか。著者より稼げていない人が、その著作を批判する行為に、いったい何の意味があるのだろう。

アマゾンには、そんな評論家の屍がわんさか転がっているが、本当に稼いでいる人は、そんなカキコには時間も労力も費やさないものだ。

話がそれたが、本書を読むと、中山さんの思考体系が見えてくる。ムダがない。いや、本当はムダだらけかもしれない。しかし、「ひとり放り出されても稼ぐ仕組みを作る」ことに本当に効果があるものだけをチョイスして、徹底的に追求しているのだ。

この徹底がミソだ。効率化しようとすると、しんどい作業を避ける傾向があるが、それでは徹底できないから、結局効果がない。

しかし、「効率」ではなく「効果」にフォーカスすれば、一見ムダと思えることが、あとでじわじわ効き、勝負を決することがある。それが「参入障壁」と呼ばれるものだ。

参入障壁を高くするには、ムダと思えることを必死にやることだ、シンプルなことを愚直に徹底することだ、と中山さんは改めて教えてくれる。

ということを僕は読み取ったのだが、中山さんはもう一歩踏み込み、「独歩力」という表現で、個人が生き残っていく発想法を紹介している。

先行き不透明による不安を解消するには、何をやるべきなのかを特定して、行動しなければならない。本書を読むと、「今すぐ実践したい!」と思わせる迫力と情熱が伝わってくる。
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posted by 午堂登紀雄 at 16:49| Comment(4) | TrackBack(0) | 本日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>参入障壁を高くするには、ムダと思えること>を必死にやることだ、シンプルなことを愚直>に徹底することだ

すごく分かります。

私もwebマーケティングの分野で、さらに絞り込んだ分野だけをやっています。愚直に。

業務においては仕組み化しています。
この辺は非常に重要だなと感じています。


>著者より稼げていない人が、その著作を批>判する行為に、いったい何の意味があるのだろう。


暇なんだと思いますw

結局、動かないと景色は変わらないんですよね。
Posted by イシヅカ at 2009年08月20日 23:16
>イシヅカさん

ありがとうございます!

>私もwebマーケティングの分野で、さらに絞り込んだ分野だけをやっています。愚直に。

なるほど〜、やっぱりそうなんですね。

>暇なんだと思いますw

おお、ズバリ(笑)

>結局、動かないと景色は変わらないんですよね。

本当に。そしてこの「景色は変わらない」という表現、いいですね!
Posted by 午堂登紀雄 at 2009年08月21日 10:04
>本当に。そしてこの「景色は変わらない」という表現、いいですね!

午堂さんはやっぱり感受性が豊かでいらっしゃるなあと改めて思いました。

『何気ない表現』をきちんと受け止めて、『いい!』って思えることって中々できないと思うんですね。

返信の返信で失礼いたしました!
Posted by イシヅカ at 2009年08月22日 19:58
>イシヅカさん

お褒めのお言葉、大変恐縮です^^
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
Posted by 午堂登紀雄 at 2009年08月23日 18:24
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