2009年07月07日

ベーシック・インカム

ベーシック・インカムという考え方を聞いたことがあるだろうか。

これは、社会の構成員全員に、個人単位で、最低限の生活が可能な一定の収入(=ベーシック・インカム

)を、定期的に現金で分配するシステムのことだそうだ。受給資格は特になく、働いていても、いなくても、高所得でも低所得でも受け取れるというもの。

驚いたのは、このベーシック・インカムの制度を支持する人が結構多いということ。「働かざる者、食うべからず」という言葉は乱暴で危険なのだそうだ。そして、働かなくても生活できる基盤が保障されることで、もっと自由に、そして自分らしい働き方が実現できるという。

そうやって地球という大自然の恩恵を受けて暮らす社会の構成員全員を平等に扱うことが重要、ということらしい。

でも、本当だろうか?確かに障害者や病気療養の人、母子家庭や孤児などには保障するシステムがあって良いと思うが、誰でもばらまくというのはいったいどうなんだろうか。

僕の個人的な予想だが、ベーシック・インカムの副作用として、働く人と働かない人の格差がより広がり、所得格差はますます大きくなるのではないか。

なぜかというと、人間が成長するには、筋肉と同様に負荷が必要だが、働かない人は仕事による負荷をいやがって辞めるので、成長する人としない人の格差が広がる。そうすると、価値を創出できる人とできない人の格差が広がる。それは結局所得格差になるという理屈。

それに、企業としては、すぐ辞められたら困るので、採用基準を相当引き上げるだろう。そしてコア業務以外は派遣やアルバイトに切り替える。ということは、失業者はますます増える可能性がある。

そして、給付されたお金(つまり税金)で遊んでいる人を見るにつけ、働く人の納税意欲は減退するため、そういう制度のない国へ移動する人も増えるかもしれない(これは可能性低そうだが)。

財源をどうするか、というのは別問題として、世の中の議論はどうしても下に合わせる傾向が強く、上を伸ばすという議論はなかなか進まないような印象。嫉妬のせいだろうか。それとも努力することに疲れちゃったのだろうか。

しかしこういう話をすると、すぐ「普通の人をバカにしている」という指摘を受けるのだが、それは努力してのし上がった人への侮辱にしか聞こえない。だって、そういう人が寝ているときも遊んでいるときも飲みに行っているときも、彼らは仕事してたんですからね。

おろろ、ちょっと話がそれてしまった。
とにかく、僕のように仕事を通じて成長したいと考えている人間にとってはどうでもいいことなのだが、どうせばらまくなら社会の活力につながることに使う方が良いのではと思う。

たとえば、無料映画鑑賞券を、毎年一人10枚配る。好きな映画を年間10本までタダで見られるというもの。なぜこれがいいと思うかというと、まず映画人口が増え、日本の映画業界が盛り上がり、海外に配給できる名作が生まれる素地ができる。

それに、映画館に行くには移動しなければならない。そこで電車、バス、自動車にお金が落ちる。次に、ただ映画を見てとんぼ返りする人はいない。映画館で飲み物を飲むし、終わった後はショッピングや食事をするだろう。つまり波及効果がある。

また、回収した映画鑑賞券の分だけ税金で補填すればいいので、無駄がない。何より、政府が娯楽を推進するなんて粋だし楽しい!

これも僕の個人的な考えだけれど、政府は老人の仕事を創り出すべきだと思う。そうすると当然、「老人を働かせるなんてけしからん」という意見を言う人がいるが、会社に所属するのではなく、個人自営業者として契約し、成果に応じて報酬を払えば、自分のペースに合わせて自由に働ける。

それに、働いて人の役に立ち、ありがとうと言われてお金をもらえるという充実感は何物にも代え難い。自立して稼げるという自信、社会の一員として役立っているという自分の存在意義の実感にもなる。

また、朝は時間通りに起きなければならない緊張感、期日に間に合わせなければならない緊張感があり、そういう緊張感が病気を遠ざけ、健康管理に意識が向き、医療費削減にもつながる。そうだ、葉っぱを売ろう! 過疎の町、どん底からの再生を読むと納得。

そうだ、葉っぱを売ろう! 過疎の町、どん底からの再生

ただばらまくというのは、思考停止した短絡的発想としか思えない。お金は価値の対価のはずなのに、価値をうまないところにお金をまくと、今はよくても、将来そのしわよせが別の形で来るのではないかと(根拠無いが)感じてならない。
posted by 午堂登紀雄 at 16:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 午堂登紀雄の独断と偏見 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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